【相続のこと】遺言書から私が感じること
広島の縮景園。
とても美しいお庭でした。
仕事柄、亡くなった方の遺言書を見せていただく機会があります。
相続税の申告をさせていただく場合には、財産の分配についての記載部分が重要なのですが・・・
遺言書から見えてくるもの
私が遺言を拝見するときにいつも一番見てしまうところ
それは遺言書の中に家族へのメッセージが書かれている場合にはその内容や、遺言者ご本人の筆跡です。
公正証書遺言を拝見する機会が多いのですが、その中に付言事項としてご家族などへのメッセージが記されている場合があります。
これまで拝見した遺言書の中の付言事項には、ご家族への感謝の気持ちを伝えるものが多くありました。
当然その文面に表れている部分しかわからないのですが、その部分を読ませていただくと、いろんなことを想像します。
この方は日頃からご家族に自分の気持ちを伝えていたから、遺言書にもこのような言葉が書かれているのかな
それとも、生前は感謝の言葉をなかなか口にしてこなかったから、遺言書に書いたのかな とか
ただ、その内容を読ませていただくと、ご家族が読まれる最後のメッセージである遺言書の中に記されたその言葉がその方の心の言葉なんだろうなあといつも感じます。
長い人生の中ですから、いろいろなことがあったと思いますが、自分が亡くなったあとに家族が読むもの
そこにはこれまでの様々な想いと、その方の真の気持ちが表れると私は思っています。
他には遺言者の方の筆跡をいつも見てしまいます。
ご自分で署名できる方はご自分で署名をされていますが、文字が震えている場合もよく拝見します。
何とか最後に自分の気持ちや意思を伝えたい、体調が悪いなか力を振り絞って書かれたのだろうなあと思うと、その文字を見るだけでこみあげてくるものがあります。
ほとんどの場合、私は生前の遺言者の方のことを知らない場合が多いですが、遺言者の方の最後のメッセージを見せていただけるという本当に大切な仕事をさせていただいていると実感しています。
まとめ
遺言書は身近な方へ最後にメッセージを伝えることができるものです。
財産の分割という意味では、遺言書が書かれている場合は家族での争いを防ぐことができることも多くあります。
遺言書の中で最後のメッセージを伝えることももちろんできますが、身近な人に対する感謝の気持ちはできれば生前に伝えておけるといいなと個人的には感じています。